簿記2級って3級と比べて急に論点が多くなるし、参考書が1冊だったのが2冊になるしで、びっくりしてしまう。
特に初学者のころの工業簿記なんて、なんのこっちゃで全然わからなかったし、試験当日も理解できずに迎えてしまった。
多くの簿記2級の解説では、工業簿記は完璧にしないと合格できないと書いているが、そんなことはない。
今回は工業簿記を理解できなかったお馬鹿な自分が日商簿記2級に合格できた考え方を書いていく。
簿記2級が急に難しくなる理由
仕訳が難しくなる
単純に仕訳のレベルが、3級と比べて圧倒的に上がってしまう。
3級は、簿記の「ぼ」の字程度の理解でも合格できたのに、2級ではしっかり「簿記」の理解が求められるので、急激に問われる内容が専門的になる。
簿記3級の理解があって当然の問題ばかりで、「大問1」の仕分すら既に難しいという有様。
しかも、ただでさえ仕訳が難しいのにも関わらず、「大問2」以降はすべて発展問題が出されるのが簿記2級。、
新たな論点が増える
初学者にとって大きな壁となっているのが、論点の大幅な増加。
「税効果会計」や「連結会計」、「工業簿記」は特に難しい論点と思われている。(工業簿記は切実に難しすぎると思っている。)
にも関わらず、多くの簿記有識者たちが、その難しい論点のなかで、「工業簿記」は満点を目指して勉強しましょうなどと発信しているものだから、工業簿記が分からない私たちは「工業簿記ができないとダメなんだ。ガクガク…」と恐怖に陥れられる。
この難しい論点たちをどのように捉えて、乗り越えるかで合否が決まってくる。
工業簿記が理解できなくても合格できた理由
商業簿記は満点をめざす
多くの人たちにとって得点源の工業簿記に見込みが薄い以上は、それ以外の論点で補うほかない。
残念ながら、「工業簿記も商業簿記もできない馬鹿」では神は救ってくれないから、「工業簿記だけ理解できない馬鹿」にまで成長する必要がある。
成長できれば馬鹿なりにでも、商業簿記で満点を取れるかもしれない。そうすると60点は確保できるから、あとは工業簿記を勘で10点だけ取れば合格できる。
工業簿記を捨てるなら、商業簿記は満点をめざして勉強しないといけない。
連結会計を捨てるという選択肢はない
「大問1」は幅広い論点から仕訳が5問。「大問3」は財務諸表などの発展問題。「大問4・5」は厄介な工業簿記の全範囲から出題される。
各大問で幅広い論点から出題されるなか、ほぼ確実に出題されるのが「大問2」の連結会計。
ほぼ確実に出題される連結会計を捨てるという選択肢は一切ない。
馬鹿なのは工業簿記だけで十分。連結会計は理解できるまで勉強する。
おすすめは、YouTubeでパブロフ簿記の連結会計の解説を何周も見ること。
この3本がおすすめ。
工業簿記が理解できない罪は、何度も連結会計をあきらめずに学習して取り戻すしかない。
それで本番の出題が、株主資本等変動計算書とかだったら、山が外れてショックかもしれないが、めちゃくちゃ簡単になっただけだから儲けもの。
工業簿記は部分点狙い
さすがにいくら馬鹿でも、工業簿記が全部不正解だと、どれだけ商業簿記が完璧でも合格点の70点に届かない。
だから、工業簿記は徹底して部分点を狙い、なんとか20/40点の5割の得点をめざす。
部分点を取るコツとして、まず「大問5」は分かればラッキーくらいの気持ちでいること。
シュラッター図が必要そうだったら愛想笑いでもしておいて、申し訳程度に思いついた数字を書いておき、そっと前のページに戻って他の見直しをしようくらいの振り切った気持ちでも良い。
工業簿記の勝負は「大問4」。なんとかここで20点をもぎ取る。
「大問4-1」は、基本的な仕訳問題だし、「大問4ー2」も慌てなければ、部分点くらいはとれるレベルの総合原価計算がでることが多い。
我々が工業簿記に反旗を翻すことができるのは、我々のことを力のない者だと思ってなめている「大問4」しかない。「大問5」が出てきたら早々に白旗を上げざるをえない。
工業簿記にびびるな
今でも工業簿記の考え方はよくわかっていない。なぜ工業簿記になると借方と貸方を逆に書くことがあるのか不思議なままだ。
でも合格できている。ということで、連結会計を含むすべての商業簿記さえ完璧ならば、工業簿記がポンコツでも十分合格できる余地はある。
もし、ここまで読んで、商業簿記を完璧になるまで頑張るくらいなら、工業簿記を完璧にしたほうがコスパが良いのではないかと思ったのなら、それも合格への道だと思うし、なんならそのほうが王道である。
それでも、工業簿記の訳が分からず、あきらめてしまっている人は参考にしてもらえたら嬉しい。
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