ワイヤレスイヤホンを調べはじめて、だんだんと沼にはまってしまうと候補に入ってくるのがSENNHEISER。
SENNHEISERはドイツのオーディオメーカーで、他のオーディオメーカーには出せない繊細な音質によって人気を誇っている。
2024年3月1日に発売された最新モデルのワイヤレスイヤホンであるMOMENTUM True Wireless 4も例にもれず、高音質だという評価が多いので、それを信じて自分の持っているイヤホンをすべて処分し、実際に数か月使ってみたのでレビューする。
MOMENTUM True Wireless 4の特徴
MOMENTUM True Wireless 4の特徴以下の通り。
- 「非常に繊細な音質」
- 前作よりも強化された「ノイズキャンセリング」
- 「トランスペアレントモード」と言う名の外音取り込み
- 「ケースが布張りでおしゃれ」
- 「再生しながら本体だけでだいたいを操作できる」
- 「aptX Adaptive対応」
- 「マルチポイント」
- 「置くだけ充電」
前作が不具合多発で交換対応ばかりだったSENNHEISERだが、今作は今の所目立った不具合は報告されていない。(不具合がないわけではなかった。)ただ、Amazonのセールでも¥37,000台が最安で、他社のワイヤレスイヤホンと比較すると約¥10,000の差がある。その価格分の価値はあるだろうか。
MOMENTUM True Wireless 4の詳細なスペック
使用者が多いワイヤレスイヤホンと比較すると以下の通り。
MOMENTUM True Wireless 4 | QuietComfort Ultra earbuds | AirPods Pro2 | SONY WF-1000XM5 | |
---|---|---|---|---|
価格 | ¥49,940 | ¥39,600 | ¥39,800 | ¥41,800 |
イヤホンタイプ | カナル型 | カナル型 | カナル型 | カナル型 |
イヤホンの重さ | 6.2g | 7.0g | 5.3g | 5.9g |
ケース+イヤホンの重さ | 65g | 72g | 63g | 48g |
バッテリー(NCオン) | 7時間
ケース30時間 | 6時間
ケース24時間 | 6時間
ケース30時間 | 8時間
ケース24時間 |
ノイズキャンセリング | △ | ◎ | ○ | ○ |
音質 | ◎ | ○ | × | ◎ |
空間オーディオ | × | ○ | ◎ | × |
外音取り込み | △ | ○ | ◎ | △ |
操作性 | ○ | ◎ | ○ | △ |
装着感 | ○ | ◎ | ○ | ○ |
マイク音質 | ○ | △ | ○ | ○ |
マルチポイント | ○ | ○ | ○ | ○ |
ワイヤレス充電 | ○ | ×(△) | ○ | ○ |
MOMENTUM True Wireless 4の最大の特徴はやはり音質。その分ノイズキャンセリングや外音取り込みは弱い印象。
空間オーディオに関しては非対応。この値段なら対応してほしいところ。
それぞれの製品をレビューした記事は以下。
MOMENTUM True Wireless 4の音質
MOMENTUM True Wireless 4の音質は、比較した3機種とは頭ひとつ抜けて良いと感じた。低域から高域まで全てが美しい。
イコライザーの設定をしない状態で聴いてみると、低域はBOSEほどズンズンしないが、上品さを感じる音。中域と高域は一音一音を丁寧に鳴らされ、しかもその一音ずつがただ鳴っているだけではなくて、しっかり原音の余韻や響きを感じさせる。
それでありながら、癖のある音ではないため、どんなジャンルの音楽でも幅広くこなすことができる。
タイプ的にはAirPods Pro2に近い。それを3ランクくらい上げた音という印象。
ただ音楽を聴いていて楽しいと感じるのは個人的には、BOSEのズンズンサウンドかも。
MOMENTUM True Wireless 4のノイズキャンセリング
電車で使用してみると、電車の走行音などはほとんど聞こえてこなかった。、けど、案内放送が流れたら、今放送流れてるなーと気づくことができるレベル。
家で使用している時に、iPhoneの音量4分1くらいで音楽を聴いていたら、インターホンが鳴ってそれに気づくこともできてしまった。
アプリから純粋なノイズキャンセリングのオンオフに加えて、風切音の防止という設定も可能だが、外で使ってみた印象では、特に変化は感じられなかった。
風切音の防止に設定した状態で走ってみると、普通に風の音が聞こえてくる。
ノイズキャンセリングには期待しない方が良いかもしれない。
ノイズキャンセリングを重視したイヤホンがほしいならAirPodsやBOSEを買うべき
MOMENTUM True Wireless 4の外音取り込み
MOMENTUM True Wireless 4の外音取り込みは、「トランスペアレントモード」と言う名称。分かりづらいからがBOSEと一緒に外音取り込みに名前変更してください。
まぁまぁな自然な印象。AirPods Pro2ほどではないけどSONYよりは上という感じ。イヤホンをつけてたままでもはっきりと外の音は聞こえてくる。
ただ、なぜかタッチ操作でこの機能をオンにすると、再生したままで外音取り込みをオンにしてほしいのに、再生まで止まってしまう。それでいちいち曲をもう一度再生しないといけないからかなりストレスを感じる。
MOMENTUM True Wireless 4の操作性
タッチ操作のみで、ほとんどすべての操作をすることが可能。いちいちスマホを操作する必要がないので便利な機能。
しかし、AirPodsBOSEやBOSEの直感的な操作に比べて、MOMENTUM True Wireless 4はタッチ何回でどうとか覚えづらい。音量の調節も右側のイヤホンを長押しで一段階アップ。左側のイヤホンを長押しで一段階ダウン。毎回、音量上げるんどっちやったかな~ってなる。この点は微妙。
あとタッチの感度も悪い時があって、タッチしているのに反応しないことがある。
MOMENTUM True Wireless 4のその他良い点
ケースデザイン
デニム生地というかなんというかはわからないけど、結構おしゃれで素敵。毎回イヤホンを買った時の悩みでよくある、ケースどうしよっかな~。っていうのがない。
だた、汚れたらおしまいなのはちょっと怖い。
ワイヤレス充電にちゃんと対応
家のなかで定位置がしっかり決まるのは、この機能のおかげ。高いイヤホンでついてないのはBOSEくらい・・・。
サウンドパーソナライゼーション
このイヤホンのなかで、素晴らしいのはサウンドパーソナライゼーションといっても過言ではないと思う。ゼンハイザーの音ってあまり好みじゃないという人も、アプリで自分好みの音に細かく変更することができる。
もっとドラムを際立たせたい。できます。
もっとボーカルを前に出したい。できます。
ドンシャリサウンドにしたい。できます。
低音ズンズンにしたい。ちょっとできます。
大体のことができてしまうという驚くべき機能。しかも、まったく不自然じゃない。
ただ、設定画面がなんか点々の山みたいなもので構成されてて、何が何かわかりづらいのは欠点。
MOMENTUM True Wireless 4のデメリット
でかい・重い
このイヤホンサイズに対して、ケースでかすぎ。ポケットの中で圧倒的な存在感を誇るこのボディはマイナスポイント。
バッテリーもたない(バッテリー保護のせいではある)
MOMENTUM True Wireless 4は、バッテリー保護のために充電を80%までにする設定ができる。そりゃ労わって長く使いたいのでこの機能を設定するんだけど、ノイズキャンセリングオンなら4時間くらいでバッテリーが切れる。
4時間で切れちゃうと東京ー大阪の移動がもたない。じゃあ80%じゃなく100%充電すればいいじゃない。
わかる。けど、そうじゃない。80%充電にしてバッテリー保護もしたいじゃない。なおかつ、6時間はもってほしいじゃない。そこを両立してほしい。
ていうかそもそも、100%充電のときも7時間も充電はもってない。
タッチ操作の時の高音のノイズ
両耳のタッチ操作時にキーンという異音が鳴ることがある。アップデートで改善されたという情報も上がっているが、まったく改善されていない状態で、操作するのが不快。
2024/9/12追記 アップデートが入って異音がなくなったかも。タッチしても異音が鳴らなくなった。
価格
Amazonで4万弱の価格はちょっと高い。
1000m5ですら3万で買えるようになってきた中での、この価格は結構厳しいか。
結論
実際数か月使ってみて、器用貧乏な印象だった。
音質は確かにトップクラスに良いんだけど、それ以外の機能が微妙すぎる。それでいて値段も高い。
音質のみを求めていて、それ以外のものは要らないという人には良いと思うが、すべてそれなりの機能でまとまっているものが欲しいという人は、SONYやBOSEを買うべき。
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