AirPods Pro2といえば、日本でかなり売れているワイヤレスイヤホンの1つであり、空間オーディオや外音取り込み機能ではトップクラスの性能をオーディオ機器の1つでもある。
自分は、iPhoneとMacとiPadとApple Watchを愛用しているAppleヘビーユーザーなんだけど、これまでイヤホンだけはAppleを食わず嫌いしていて、最近までは、SONYのWF-1000XM5を使っていた。でも、先日それが故障してしまった。これを機にイヤホンもApple信者になろうと購入してみたのでレビューする。
AirPods Pro2の特徴
Airpods Pro2は発売は2021年10月。他社は1年ごとに新作を発表する中でAppleは数年に一度の更新。それでもBOSEやSONYに劣らない性能を持っている。特徴は以下の通り。
- 音に包まれている感最高「空間オーディオ」
- 「アクティブノイズキャンセリング」
- まるで付けてないような「外音取り込み」
- 「クリアなマイク音質」
- ケースも本体も「軽量」
- 「iPhoneの探すアプリですぐに発見可能」
- 「Apple製品との相性バツグン」
このなかでも特に空間オーディオやノイズキャンセリング、外音取り込みは同価格帯で最高性能クラス。
AirPods Pro2の詳細なスペック
現状、Appleのなかでイヤホンを比較するなら最新機種のAirpods3になる。比較すると以下の通り。
AirPods Pro2 | AirPods3 | |
---|---|---|
価格 | ¥39,800 | ¥26,800 |
チップセット | H2ヘッドフォンチップ | H1ヘッドフォンチップ |
イヤホンタイプ | カナル型 | インナーイヤー型 |
イヤホンの重さ | 5.3g | 4.28g |
ケース+イヤホンの重さ | 63g | 42g |
バッテリー | 6時間
ケース30時間 |
6時間
ケース30時間 |
空間オーディオ | ○ | △(音質×) |
アクティブノイズキャンセリング | ○ | × |
外音取り込み | ○ | × |
ケーススピーカー | ○ | × |
探しやすさ | ○(音と画面表示) | △(画面表示のみ) |
Appleのイヤホンといえば、空間オーディオとノイズキャンセリングと外音取り込みの3つが最大の長所。だけどAirPods3はそれが全部非搭載。つまりAirPods3は音が聞こえるだけのうどんでしかないので、¥13,000の価格差はあるが、断然AirPods Pro2にすべき。
AirPods Pro2の空間オーディオ
AirPods Pro2を使用して1番驚いたのが空間オーディオ。
音の広がり方が異次元レベルで、イヤホンをつけているのに、部屋中から音が聞こえるような感覚になる。
YoutubeのFirst takeを聞いたら、自分がその場にいるかのような臨場感が味わえた。映画やアニメを視聴するのにも最適。DolbyAtmosに対応しているので、360°の音の広がりを感じながら視聴できる。
BOSEの「QuietComfort Ultra Earbuds」などでも空間オーディオ機能があるが、現状のイヤホンでこの性能はトップクラス。これだけで買う価値はあるかもしれないと思わされた。
AirPods Pro2のアクティブノイズキャンセリング
AirPods Pro2の代表的な機能はアクティブノイズキャンセリング。これを目当てに購入する人も多いと思う。
自分的にも、音楽や動画に集中したいときが多いから、ノイズキャンセリングは必須機能。雑音は可能な限り取り除いてほしいと思っている。
だけど、アクティブノイズキャンセリングの性能に関しては、同じ価格帯のイヤホンと比較した性能としてはまぁまぁな印象。正直満足はできなかった。
これまで聞いたことのあるイヤホンで、ノイズキャンセリング機能満足度で言うと、
1位 BOSE
「QC Ultra earbuds」 |
2位 SONY
「WF-1000XM5」 |
3位 Apple
「AirPods Pro2」 |
4位 SENNHEISER
「MOMENTUM True Wireless 4」 |
この順番。やっぱりBOSEのイヤホンのノイズキャンセリングが圧倒的にすごい。
AirPods Pro2も悪くはないんだけど、微妙に外界の音が聞こえる感じがある。特に気になったのは風切り音で、外でランニングをしているときに着用するとノイズキャンセリングオンでもビュービュー聞こえる。風が強い日やランニング中に使用すると結構気になってしまった。BOSEやSONY、SENNHEISERでは風切り音は気にならなかったから、その点に関してはマイナスポイント。
ノイズキャンセリング目当てで買うというのはちょっと微妙かもしれないと思ってしまった。
AirPods Pro2の外音取り込み
家事をしながら動画を見たり、電車で車内放送を聴きながら音楽を聞いたりできる便利機能。
AirPodsの外音取り込みは、お世辞を抜きにしても、何もつけていない時と聞こえ方が本当に変わらない。
適応型オーディオという機能もあり、周囲の状況に合わせてノイズキャンセリングモードと外音取り込みモードを自動で調整してくれる機能もある。
ただ、適応型オーディオの時は、ほとんどノイズキャンセリングは機能していない印象だった。そもそもノイズキャンセリングはあまり良くないのに・・・。スーパーで買い物をしていたらガンガン周囲の音が聞こえてくる。もうこれなら、常に外音取り込みオンで使った方がいいのではないかと思ってしまった。
AirPods Pro2の携帯性
携帯性という面では、様々なイヤホンの中で最も優れている。同価格帯のワイヤレスイヤホンと比べると圧倒的に小さくて軽い。
超大型BOSEのQC Ultra earbudsと比べると雲泥の差。
たった10gの差だけどBOSEのQC Ultra earbudsはすごく重く感じるし、すごくでかい。常にポケットの中でも圧倒的な存在感を誇っている。
AirPods Pro2は、手になじむちょうど良い大きさで、ポケットに入れても邪魔にならない。ワイヤレス充電にも対応していて家の中での置き場所にも困らず便利だし、日頃携帯するのに不便することはなさそう。
AirPods Pro2は紛失しない
かなり便利なのは、瞬時にAirPods Pro2がどこにあるのかがわかること。
誰しも、家の中でイヤホンがどこに行ったのかがかわからなくなる経験があると思うけど、AirPods Pro2は音で自分のありかを教えてくれる。
見当たらないと思ったら家中を探し回ることは一切しなくてよい。iPhoneの「探す」アプリからAirPods Pro2を呼び出すだけで音が鳴って発見できるから、大幅な時短になる。
出先でどこかに置いていってしまったとしても、すぐにiPhoneに通知が来て、今AirPods Pro2がどこにあるのかを画面上に表示してくれる。
この機能があれば、家の中でも外でも失くすことはない。
AirPods Pro2はAppleデバイスとの組み合わせで真価を発揮する
AirPods Pro2は、Appleの製品と接続することで最大の価値を発揮する。
特にマルチポイントの切り替えの速さは、他のイヤホンと比べ物にならないくらいスムーズでストレスがない。
そもそも開封してiPhoneに近づけた瞬間からペアリングができてしまっているくらいAppleデバイスとの相性バツグン。MacやiPadとも瞬時に接続でき、今自分が再生したいデバイスから音声を再生してくれる。
Apple製品を多用している自分にとって、日常生活をより便利にしてくれる感覚があった。
AirPods Pro2の最大のデメリット
めちゃくちゃ便利なAirPods Pro2。魅力的な機能が多くて、すごいスペックなんだけど、どうしても自分が受け入れられなかったのが音質。
音は聞こえてくるんだけど、まったく響いてこない。特に低音がペラペラで迫力なんか一つもない。かと言って高域や中域が美しいのかというとそうでもない。
これが¥10,000ぐらいの値段なら、まぁこんなもんかなという感じで納得できる音だが、このクオリティで¥39,800はちょっと高いな・・と思ってしまう。
感覚的には、AnkerのSoundcore Liberty 4と同水準くらいの音質だと思う。
空間オーディオでDolbyAtmos対応の音楽を聴いたら、最初は音の広がりに驚いたけど、聞けば聞くほど音のペラペラさが気になってくる。
音楽を聴くイヤホンというよりは、Apple製品を便利に使いつつ、映像を視聴することに強みのあるイヤホン。
結論
結論としては、イヤホンだけは、Appleに捧げることができなかった。AirPods Pro2は機能的な面では申し分ないくらい便利で素晴らしいんだけど、やっぱりイヤホンは音を聞くガジェットである以上、音質がよくないという点が大きく足を引っ張っている。
音質に全くこだわりがないAppleユーザーは本当にオススメできる。ただし、少しでも音質が気になるという人には、いくらAppleユーザーとは言え、BOSEやSONYなどの同価格帯のイヤホンを使用する方が満足度は高いと思う。
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