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【SONY HT-A9000 レビュー】音質には期待しない方がいい。立体音響全振りサウンドバー。リアスピーカーも買わせるSONYの戦略。

イワドン
イワドンです。ガジェットや生活改善情報の記事を投稿しています。毎月20万投資。2級FP技能士。日商簿記2級。中高国語1種免許。看護師免許。

最近映画を見たりドラマを見たりするときに、今使っているSONYのサウンドバーのHT-G700ではセリフが聞き取りづらいことが多くてイライラしていた。

そこで思い切って買い替えを決意したんだけど、どうせ買い替えるなら、映画館みたいな迫力のある音にしたいと思い、いろいろ悩んだ末、BRAVIA Theatre Bar 9こと「HT-A9000」を購入。

HT-A9000は、2024年6月1日に発売した新モデルのサウンドバー。お値段170,000円。高すぎ。

本体のサウンドバーだけで立体音響を実現することができることが売りだが、果たして価格に見合う感動はあったのか。レビューしていく。

目次

HT-A9000の特徴

ソニーとしては、「映画館のような臨場感あふれるサウンドを楽しむためのホームシアター商品」を掲げている。

これを実現するための特徴をが以下。

360 Spatial Sound Mapping

HT-A9000は天井方向や壁方向に向けて音を出すスピーカーが搭載されていて、壁の反響を使って「360 Spatial Sound Mapping」という立体音響を実現する機能が搭載されている。

13基のスピーカーユニットを搭載

スピーカーが13基搭載され、サブウーファーを設置しなくても十分な低音が実現可能になった。前のモデルのHT-A7000は、スピーカーが11基だった。

X-Balanced Speaker Unit

スピーカーのうち8基は、通常の丸いものではなく、ソニー独自の長方形の形をしたスピーカーユニットになっている。これによって、振動する面積が増えるため、音圧の向上や音質の明瞭さにつながっている。

HT-A9000の詳細な特徴

スペック

詳細なスペックは以下の通り。

項目詳細
サイズ横1300 奥113 高64(mm)
スピーカーユニット数(チャンネル数)137.0.2ch(13ch)
HDMI8K・4Kパススルー対応(4K/120fps対応 )Dolby Digital等もeARCまですべて対応
BluetoothAAC/SBC/LDAC
立体音響サウンドバー単体で対応
操作性SONYのテレビ(BRAVIA)であれば初期設定簡単
ネットワークAirPlay 2・Spotify Connect
アプリスマホがリモコンになる音場の設定もスマホで行う

スピーカー構成

次に、HT-A9000の特徴でもある13基のスピーカーの構成。

スピーカー種類取付位置主な用途
45mm x 90mmウーファー ×4(パッシブラジエーター内蔵)前面サイド ×2 45W+45W前面センター ×2 45W+45W低音の増強
10mmトゥイーター ×222mmトゥイーター ×1前面サイド ×2 45W+45W前面センター ×1 45W高音域担当
ビームトゥイーター ×2前面サイド 45W+45W音を壁に反射させる
46mm x 54mmイネーブルドスピーカー ×2前面サイド 45W+45W音を天井に反射させる
46mm x 54mmサイドスピーカー ×2両サイド 45W+45W音を壁に反射させる

13基もスピーカーがあるので、これ1本で疑似的な立体音響が実現できる。

HT-A9000の立体音響について

17万の価値はこの機能に凝縮

HT-A9000の「360 Spatial Sound Mapping」はもうすでに説明したけど、天井や壁の反響を利用して疑似的な立体音響を実現する機能だ。

しかし、本当にそんなことができるのか。半信半疑だったけど17万なんだからできてもらわないと困る。

で、実際に使用してみた感想としては、サウンドバーからの音が部屋に反響して、何もつけていない天井から本当に音が聞こえてくる感覚があった。

あと、音の響きがすごい。映画を見たら臨場感が明らかにすごくて、音楽を聴いたら迫力がある。

17万はこの迫力や臨場感への全振りだと思ってもらえばよい。

逆に言うと、ここに価値を見出せない人が買ったら、すごく微妙な評価になる。

ただし、疑似立体音響にすぎない(リアスピーカー必須)

良いサウンドバーなのは確かなんだけど、完璧な立体音響かと言われれば微妙で、あくまで疑似的。

迫力や臨場感は確かにあるんだけど、後ろから音が聞こえてくる感覚はないと言ってよいと思う。

ドルビーアトモス音源の映画を見たが、自分よりも前方のみの立体感にすぎなかった。

映画を最高の立体音響で見たいなら、当然リアスピーカーは必須。

対応しているリアスピーカーはSA-RS3/SA-RS5の2種類がある。

SA-RS3SA-RS5
電源常に給電必要バッテリー駆動可能
スピーカーウーファー+トゥイーター左右合計100Wウーファー+トゥイーター+イネーブルドスピーカー

左右合計180W

HT-A9000を買うなら360 Reality Audioが生命線なので、SA-RS5を増設して当たり前。

というSONYの策略。HT-A9000を買う層は、どうせリアスピーカーも買うだろう作戦にまんまと乗せられることになるが、実際、HT-A9000の機能を最大限引き出すならば、買わないという選択はないと考えてほしい。

SA-RS5を設置して完全な立体音響にしてみた記事は以下。

リアスピーカーがあるのかどうかで雲泥の差がある。

HT-A9000は、170,000円の立体音響スターターキットだと思ってほしい。

HT-A9000の音について

音の広がり

さっきまでの話と同じ。

サウンドバーだけでこれだけの音場が表現できているのはすごい。

【大事】音質が良いわけではない

多くの人が気にする点だと思うけど、結論、音質は期待しないほうがいい。

映画の音声が聞きやすくなったという感じもしないし、音が美しいという感じもない。

他のミドルスペックくらいの製品と比較すると、スピーカーが多いから圧を感じて相対的に良く感じることはあるぐらいのもの。

確実に言えるのは、高級ホームシアターレベルのクリアなサウンドではない。

クラシックとかジャズとか繊細な音楽を楽しみたいという人には間違いなく向かないのが、このHT-A9000。

安物よりは良いけど、最高ではない。そんな音質。

【良】低音

サブウーファーは不要。

それくらい十分な低音を出すことができていて、低音のレベルを上げたら、主音量20/100で壁や床が振動している感があるくらいの圧を感じられる。

ライブ音源で臨場感があるのは、この低音があることが大きいんだと思う。

一応、SA-SW3/SA-SW5の2種類のサブウーファーが用意されていて、リアスピーカーと同様にワイヤレスで接続可能。

SA-SW3SA-SW5
違いバスレフ(穴あいてるやつ)パッシブラジエーター(穴ないやつ)
音質深い低音(バ~ンって感じ)締まった低音(バンッ!って感じ)

音質にこだわる人たちは、「好みもあるがパッシブラジエーターは微妙」だと評価している人が多い。

ただ、HT-A9000は迫力や臨場感を味わうことができるサウンドバーだから、SAーSW5のほうがタイプ的には合う。

操作感

【良】アプリは使いやすい

HT-A9000は大体のことをアプリで行うことができるようになっている。

それぞれのモード切替や主音量、低音のレベル調節も可能。

このアプリですごいと思ったのは、今再生しているコンテンツが何chで再生されているのかがわかるところ。

この映画は、ドルビーアトモスの5.1chで見られるのか、というのが一目で分かってよい。

【良】リモコンは大幅にコストカットされている

左がHT-G700のリモコン。右がHT-A9000のリモコン。

アプリで大体のことができるので、リモコンが簡素化されている。

主音量の調節だけならテレビのリモコンとサウンドバーが連動しているからすぐ操作できるし、これは、誰も嫌な気持ちにならない素晴らしいコストカット。

【結論】立体音響に価値を感じないなら買うな

結論、HT-A9000を購入すべきなのは、映画鑑賞や音楽のライブを臨場感や迫力いっぱいに楽しみたい人。

しかも、+60,000円でリアスピーカを買う前提で、170,000円の立体音響スターターキットを買うという点に抵抗を感じないことも大事。

買って後悔はしないと思うけど、音質にこだわるなら、なにがなんでも別のサウンドバーにすべき。

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